昨日までは水面下のことを地道に行っており、今日は地道にコラージュの材料探しをしています。
…家の中の紙の山から。
年末年始からの体調不調も地道に調子を下げまくって、スケジュールどおりに進まず…
友人や知り合いの作家さんが参加されている展示観賞も諦めざるを得ないことに…。
『直木賞作家志茂田景樹と12人の女性アーティストが紡ぐ四季展』
↑行く予定でした。月末まで展示なので、興味ある方はぜひ!
この場を使って気分転換することにします。
年末年始は5日間の休みの中、DVDで映画を4本観ました。
因みに年明け前はいろいろ上映観に行ったのに全然上げられませんでした。。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
『赤い薔薇ソースの伝説』2015年東京ごはん映画祭
☆以前レンタルで観たのを映画館で観直したところ、こんなにストーリーがぎっしりした、
しかも仰天内容満載の映画だったのか、、と改めてびっくり。
ラストも忘れていて「まあまあハッピーエンドだったのでは」と「この後に及んでそんな!」という気持ちとない交ぜ。
とにかくラテン系奇想天外な発想の代表みたいな作品
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
『そして僕は恋をする』アルノー・デプレシャン監督。アンスティチュフランセにて。
マチュー・アマルリック主演。
私はフランス映画を観るのがとても好きだけれど、フランス映画で起こっている恋愛がリアルなものであるとしたら、
フランスでの恋愛はものすごく疲れそうだな、、と思う作品の一つ。
優柔不断な役がまたマチュー・アマルリックに似合います。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
ツァイ・ミンリャンの『ヴィザージュ』2016年東京フィルメックス。
台湾の監督ですが、ミンリャン作品ではかかせないリー・カンション以外の主だった俳優は、ほとんどフランス映画でおなじみの俳優群で、
舞台もほとんどフランス(ミンリャン監督がルーブル美術館に依頼された作品)、映画中で映画を撮る監督が台湾人 小康(リー・カンション)なので少し台湾に移ることも。
『サロメ』をモチーフに映画を撮ろうとする映画なのですが、どれが幻想でどれが現実なのかよくわからず、
また、ミュージカルシーンも満載、という不思議な映画でした。難解ですが、私は好き。また観たい。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
<ポーランド映画祭>
『灰とダイヤモンド』
ポーランド映画では有名な作品。
実は脇役のアダム・パヴリコフスキが観たいという不純(?)な動機で観に行きました。
典型的な主人公の性格(軽さを持ちつつ真摯さのある)と典型的な悲劇の物語に感じました。
『縛り首の縄』
ヴォイチェフ・イエジー・ハス監督ファンなので、とりあえずこの監督作なので観たかった作品。
アル中で苦しむ男の悪夢のような悲劇の話。状況や小道具などによる繰り返しの美学が印象的。
★★★★★★★★★
こちらではもう少しまともに感想を書きます。(上記はいずれ詳細な感想を書きたいので簡単で終わりました)
イギリスのスパイ映画。
ジェントルマンなイメージが楽しい戦い方とワクワクのスパイクッズの数々(仕込み杖的な楽しみ)と、アーサー王と円卓の騎士のコードネームにニヤリ。
イギリスのトラディッショナルなイメージに加え、現代の感覚があります。
特に音楽は現代らしい。そして皮肉な使い方に笑ってしまいました。
次から次へと何が起こるんだろう?というスパイ養成の様子も面白いです。
きれいにまとめられていて、ラストのオチも痛快。
人と一緒でなければ、なかなか自分からは観ないタイプの作品ですが、久しぶりにこういうのを見るのもいいと思いました。
テクノロジーもふんだんに使いつつ現代だからこその話の展開に思えるけれど、ストーリーは昔からの普遍的なものをおさえてあるので、違和感もありません。
かといって、展開が読める訳でもなく、「次はどうなるのか、何が出てくるのか」というスリル感もあります。
私はどちらかと言えばアクション映画にさほどの魅力を感じないのですが、「キングスマン」はとにかく小道具を「どのように多彩な使い方をするのか」というアイデアを出し惜しみしていません。
なので、アクションだけでも飽きない面白さを感じます。(「ジョジョの奇妙な冒険」好きとしては、スタンド能力をどのように最大限活用するか的な面白さです)
主人公が現代のごく普通の若者(それもアッパークラスではない)が様々な試練を乗り越えて紳士になっていく過程、そして最後にはプリンセスをゲットする、という民話や幻想話の典型的なものも踏まえています。この大筋の流れも、物語に魅力を感じる要因のひとつだと思います。
数少ない女性達(というより無闇に登場人物を多くしていない)も魅力的で、美的にも目の保養クラス。
候補生の中で主人公以外に残るのが女性で、しかも彼女にも命がけのミッションが与えられるというのも現代ならではかも?と思わせました。
そして、手強い敵の美女ガゼルのシュッとした立ち居振る舞いと、武器にもなっている義足がまたシャープな身体のスタイル&性格を魅力的に見せていました。
個人的にはコリン・ファースってこんなにかっこいい人だったのか、、と思った。。
★★★★★★★★★
「海辺とピアノ」という図が大変美しいし、音楽にもまた合っているのですが、、
結構現実的な見方もしてしまうので、『あんなにピアノを砂浜に放置したら悪くなっちゃう!!』というところで、ハラハラドキドキしてました(笑)。
愛さえあれば許されるのか?という問いかけも感じさせる作品。
ヒロインが嫁ぐ男性は、ヒロインをないがしろにしたい訳ではなく、夫婦として愛し合いたいという気持ちも十分に感じます。
が、夫のすることはヒロインをことごとく悲しませることばかり。
個人的には(一方的な)愛はあっても、どうしたらこの女性を心地よくさせてあげられるだろうか?と考えられない男性はダメだなあと思ってしまいます。
視野が狭すぎるのと、思い込みが強すぎる。悪気がなければ過ちが全て許される訳ではないのと同じように感じます。
そして、ヒロインが意外と強気で頑固者なのにも驚きました。
その気丈さがこの時代の女性には珍しい勇敢さを感じるし、それがまた制約の厳しい中で自らのストーリーを切り拓いていく様にも見えます。
ピアノがついに海に捨てられるシーンがありますが、とても幻想的。
そして、死んで生まれ変わる象徴となっているのが良かったです。
★★★★★★★★★
(序盤見てない)
エピソード2&3と半端なのはこれいかに?
実家で兄弟がDVD流していたのを、途中から最後まで一緒に観始めて、エピソード1は観ていなかったということです(笑)。
兄弟はスター・ウォーズ大好きなのに、私はまともに観たことが一度もなかった。。
わたし的見所は、なんといっても、ナタリー・ポートマンとヘイデン・クリステンセンがとても美しく、素晴らしい起用だということです!
「ナタリー可愛え❤」としょっちゅう呟いていた(笑)。
二人とももっとも若さが美しい時期に、とても最適なキャストに選ばれたのが本当に目に嬉しいというか。
日本上映当時に結局観なかった訳ですが、注目はしていて、雑誌の紹介記事などを見て、その頃から素敵だと思っていました。
当時、ヘイデン・クリステンセンはそこまでメジャーではなく、私はソフィア・コッポラの「ヴァージン・スーサイズ」が好きで、
ほんの端役だったヘイデンがどこで出ていたっけ?とパンフを見返して「ああ、この子だ!この時はまだ幼かったけど、やはりきれいな顔していたんだな!」と納得。
顔だけの話でこんなになってしまった。。
まともにスターウォーズを観まして、全体的な感想は、
沢山の登場人物を始め、作品としてはこれだけ混み入った設定のはずなのに、ストーリーや状況がすごくわかりやすく、もちろんアクションなどのエンターテイメント性も抜群。
また、神話的な古典とかで語り継がれてるような、いつの時代にと通ずる人間の普遍的な部分をベースにしているのも感じて、なるほど万人が感動する訳だなあと思いました。
特にこれらのエピソードは、恋愛も中心にあるし、本当に神話的。
ダース・ベイダー誕生の物語である訳ですが、その過程がギリシャ神話の流れとしか思えません。
不幸な予言を聞いてしまい、それを回避しようとすればするほど、破滅に近づく運命となるのは、ギリシャ神話の王道です。
有名なのが、「オイディプス王」でしょうか。
「おまえは自分の父親を殺し、母親を妻にする」と予言されたオイディプスが、それを回避するべく故郷を出るけれど、
目の前に現われた運命を何の気なしに受け入れていく結果、結局予言通りになり、絶望するというストーリーです。
因みに知らずに母親と結婚してしまうというところで、「エディプスコンプレックス」の語源です。
アナキンも、予言を避けようと行動し、もがくほどに悪の道に墜ちざるを得なかった、という運命の皮肉さ。
予言を見なければ、道を踏み外す可能性は低かったのに、、と観る者をなんとも言えない気持ちにさせます。
しかも、ここで踏みとどまればどうにかなったかも?という段階で追い打ちをかける状況が繰り返されるという。。
因みに女王アミダラの葬列の場面は、仰向けで花に囲まれた絵画的な構図が、絵画のモチーフとしてポピュラーな「オフィーリア」を思わせました。
これも古典を踏襲して作られているんだろうな、と想像できる素晴らしい場面でした。
めちゃ有名なジョン・エヴァレット・ミレイの『オフィーリア』
決してなめていた訳ではありませんが、なるほど、あらゆる面で万人に魅力的な作品だということがとても良くわかりました。
☆